オープンエアシネマ＠アレッチ ２
オープンエアシネマのスクリーン。
バックは氷河です。。
ここで、「アイガー北壁」http://www.hokuheki.com/という
日本でも公開されたドイツ映画を上映した際
よりによって氷点下まで冷え込んで
３D以上の迫力が出てしまいました。
ホットワインが飛ぶように売れたなぁ。。
私たちはシネマスタッフとして山に上がっています。
何をするかというと
シネマ期間が始まる日に集合して
テントを建てたり、客席の椅子を出したり
防寒用に貸し出す軍払い下げのブランケットを日に干したり
ここが我々スタッフの仕事場テント。
ここで飲み物やソーセージ、フライドポテトなんかを売ります。
ヌスギプフェリ。
リンゴやナッツのたっぷり入ったこのパイも
毎日焼いて売ります。
普段は、このようにスクリーンを降ろしているので
上映前にスクリーンを揚げ、上映後に降ろすのも大事な仕事。
標高２０００mの山の上、という会場の性質上
すべてはお天気次第の、このオープンエアシネマ。
雨が降っても視界が良ければ上映しますが
霧が出ると、小さいスクリーンでの上映になります。
風が強いときと雷がくるときは中止です。
これが、午後７時頃のシネマ会場。
夏の山の上での野外上映なので、９時半上映開始です。。
これが映写機の入ってるコンテナ。
麓まで車で引っ張ってきて
麓からはゴンドラの下にくくり付けて上に運び
そこからトラクターに牽引されて山を上ってきます。
初めて見たときは
これぞ、ニューシネマパラダイスや〜ん！
と感動しました。
すごいすごいと呟きながら
映写技師の仕事を見ていたら
ニューシネマパラダイスのサントラを
開場待ちの時間に大音量でかけてくれたなぁ。
この映写技師、スイスの田舎に映画館を３館持っている人で
ヒッピーというかアナーキーというか
なかなか独特な男なのですが
彼はいつでもとっても薄着。
私たちがスキーパンツを履いて冬装備でいるときにも
裸足にサンダル、太陽が出てると半袖という出で立ち。
この彼が、アイガー北壁を上映したときに靴下を履いていて
みんなでそうとう笑いました。
「そうか！ やっぱりあんたが靴下を履くくらい寒いか！」と。。
さきほどから、写真にちらほらコープのロゴがありますが
このオープンエアシネマのメインスポンサーがコープなのです。
pro natura は
スイスの自然を保護する活動をしていて
１００年以上の歴史がある環境保護団体です。
http://www.pronatura.ch/
ナショナルトラストと呼ばれる
土地を買って自然保護地区とする活動をしています。
活動の範囲はスイス国内です。
他にもさまざまなネイチャーツアーを主催したり
自然をテーマにした展示会をしたりしています。
また、自然保護の観点から開発計画に助言したり
ときには「そのダム計画、ストーーップ！」と声をあげたり。
会員からの会費や寄付や
（アレッチの瀟洒な建物も
カッセルさんの遺族に寄付されたものですし
ときどき会員の方が亡くなった際に
すさまじい額の献金があったりもするそうです。）
企業からの支援で活動しています。
スイスの代表的なスーパーであるミグロとコープも
年間かなりの額を支援してくれる、大きなスポンサーです。
ヨーロッパでは、かつてのノブレス・オブ・リージュの名残か
いまでは貴族ではなくお金のある人や団体が
社会的に意義のある活動を支援するのが盛んですね。
ちなみに。。
日本にも「pro natura」という名前の環境保護団体があるようで。
http://www.pronaturajapan.com/
こちらもナショナルトラストをやってるんですね〜
自然の豊かな場所にかぎって、ダムやゴルフ場や原発が
知らない間にぼこぼこできてしまう今日この頃。
ぼやぼやしてられませんな〜 という方は
ちょいと寄付してみてはいかがでしょう。
左がスクリーン、右手前が客席となる場所。
大自然の中での野外映画上映。
もちろん音もけっこうな音量が鳴り響きます。
これら、周りの自然に与える影響を考えて
pro natura 内でも話し合いが何度も行われたそうです。
環境保護団体というと
なんだか「なにかにつけ反対する団体」というイメージがあり
とてもネガティブな印象があるので
ポジティブな印象を与えられるような活動もしていこう
という思いで始められたのだとか。
映画であれば、いろんな年代の人に来てもらえます。
毎年、いろんなラインナップが組まれていますが
いままでで一番集客があったのは、やっぱりタイタニック。
７００人以上が来たそうで。
す、すごいなぁ。。
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