エンガディンに行ってきました 2

Zuoz はイン川(ドナウ河と合流して黒海に流れ込む)を
中心にしたエンガディンの谷の真ん中くらいにある小さな町。

イン川の上流にはサン・モリッツがあります。
上の写真の山あいの向こうがサン・モリッツです。
この週末も、世界の富豪を乗せたサン・モリッツ発着の
プライベート機が谷の上空を飛んでいるのを、よく見ました。


Zuoz 駅を降りると、教会を中心にして集落がまとまってあって
その周りにホリデーハウスがいくつもあり
ボーディングスクールまであり
その街並全体の後ろに、山からの雪崩を防ぐもみの木の林が
茂っています。


集落の家々は、昔ながらのエンガディン地方独特のもの。

壁に描かれた模様は家によって違って
幾何学模様を描いたり、動物や植物を描いていたりいろいろです。

家の名前をロマンシュ語で書き込んでいるのもありました。
壁の上に色をのせて、その上にまた白色をのせた後
削って模様を描き出しています。


雪に閉ざされるこの地方では
冬になると牛などの家畜を家の1階に入れるので
人の住居は2階から上。
家の裏には干し草をいれておく、隙間を空けて板を打った
大きな納屋があります。


厳しい寒さをしのぐため、窓は小さく壁は厚い作りに
なっています。

なので、窓は明かりを最大限とるために厚い壁を斜めに切って
こんな風。



私はこの地方の家々のたたずまいが好きで
てくてく歩き回るだけでも大満足。
家々ごとに違う壁の色や模様、また季節ごとに変わる飾りも
そのいわれを聞きながら見るととても面白いです。



まだクリスマス風の飾り付け? と
不思議に思われる方もいるかもしれませんが
こちらではクリスマスの飾りは年を越えても
まだまだ仕舞われません。
1月6日の、生まれたてのイエスの元に3人の博士が来たのを
祝う日が終ればクリスマスツリーを仕舞うお家が多いようですが
この1月半ばに行った教会でクリスマス仕様の飾り付けが
まだ祭壇にあるのを見たくらいです。


クリスマスも、古くからあった冬の間の息災を願う冬のお祭りが
キリスト教が入ってきて『クリスマス』となったわけですから
いまだに、常緑のリースなんかはクリスマス用というよりは
冬の間のお守りみたいな意味があるのかもしれません。



3 に続きます。