エンガディンに行ってきました 3

この絵柄の絵本、ご存知の方もたくさんいるでしょう。
アロイス(アロワ)・カリジェという人の絵です。


写真は『ウルスリのすず』という絵本の一場面。
ウルスリという男の子が、村のお祭りで使う鈴がなくて困ってて…
というところから始まるこの絵本ですが
ここ Zuoz が舞台なのかも。


Zuoz では、毎年3月1日に鈴行列のお祭りがあるのです。

子どもたちが民族衣装(山羊追いの子の伝統的な衣装)に
身を包んで、大きな鈴をがらんがらんと鳴らして回り
春を告げるお祭り。


集落の真ん中にあったカフェの前には
ウルスリが大きい鈴を鳴らしている像までありました。


その向かいの公民館のような建物の前には、こんな像。

こんなふうに、村の男の子たちが広場に集まって
鞭をばちばち鳴らし、冬を追いやるお祭りがあるらしいのです。

冬のエンガディンは、いくら晴れの日が多いとは言え
ときに夜になると−20度を下回る日が続くくらい厳しいもので
昔から、人々は春の訪れを心待ちにしていたのかもしれません。



さてさて。
天気のいい日が続くと、じっとはしていられない我が旦那。
ちょうど近所の村にスキー休暇で来ている友だち一家と合流して
遊ぼう遊ぼう、ということになりました。


Zuoz から2駅行った La Punt で待ち合わせました。


友だち一家には、10歳から3歳まで坊主が4人。
話すのも歩くのもおぼつかない、おむつさえとれてない3歳の子も
平日はスキースクールに行ってるというではないですか!

がびーん。。
私、生まれてこのかたスキーというものを履いたこともなければ
滑り降りたこともなく
そんな物騒なことをしようと思ったことも、もちろんない人生。

しかし、あれよあれよという間にスキーを履かされて
いざゆかん。。

なにそれー。
見たことあるー。
オリンピックで荻原兄弟がやってたやつだー。。。


頭真っ白になりましたが
3歳児に宇宙語で手ほどきを受け
こけるたびに10歳児に引っぱり上げられ、励まされ
坂の上り方も、下り坂での止まり方も誰も教えてくれないまま
(まさか知らないとは思わなかった、とは旦那の後日談)
やりましたよ、ノルディック・スキー。

ただし、荻原兄弟がやってた、スケートと呼ばれるものではなく
クラシックと呼ばれる、ただただ前に板を滑らせるやつ。
しかも、メダルのプレッシャーなどなく自分のペースで行くのみ。


でもさ、でもさ。
それでも、ほんっとーに死ぬかと思う瞬間が2回ほど。
相変わらずの、絶体絶命スイス生活。

アレクサンダー・テクニークのアイデアをフル活用して
私ぜーんたい、と思ってみたり
リーディングエッジはどこかいな、と思ってみたり
だんだんつかめてきたかな〜と思った途端に叫んだりしつつ
無事に帰ってきました。


帰り道に見えた、不思議なスポーツに打ち込む方。

どうやら、ウィンド・サーフィンならぬウィンド・スノーボード。
ふわーりふわーり、すいーすいーと気持ちよさそうでした。