春爛漫なチューリッヒとチャリティコンサート




いかがお過ごしですか?


関西に住む友人が、桜咲いてるよ〜って教えてくれました。
あなたの住んでいるところはどうですか?


日本は、南北にとっても長い列島だから
被災地の北関東・東北地方は、あともう少しでしょうか。


桜がなにをしてくれるわけでもないのだけれど
いま大変な状況にある人にも「ああ、今年も桜が咲いた」と
ふと桜を見上げる時間がありますように
その時間が少しでも慰めとなりますように
祈ります。




チューリッヒでも、街のいたるところで
ピンク色の桜がいっぱい咲いています。
日本でよく見かけるソメイヨシノの淡い風情とはまた違いますが
桜はさくら。
見かけるたびに「あ、桜だ」と、うれしいです。



昨日は、とってもお天気がよくて
朝は種撒きをしていたのですが
汗かきついでに、ちょっとお出かけしよう!と
チューリッヒ市内をぐるっとサイクリングしました。


我が家は、チューリッヒ市の区分で言う、Kreis3 にあります。
チューリッヒ駅から南西の方角に、トラムで15分くらい。
その我が家から、北へ Altstetten まで行きました。


日曜日の街はほんとに静か。
お店が閉まっているのはもちろんですが
人通りも車通りも少ないのです。
さっさとどこかに出かけて休日を楽しんでいるか
市内での〜んびりと休日を楽しんでいるか、のチューリッヒ市民。
自転車からも、お庭で寝そべってる人やら
わーきゃー言いながら小川で遊ぶ子どもやらが見えて
なごみます〜
春じゃ〜


リマト川の中州に設けられた公園でしばし休憩。
ここまでで家から4kmくらいでしょうか。
気温もどんどん上がって25度以上。
周りを見渡せば、ビキニ姿でごろりと寝転がってる人多数。
さっそく川で泳いでる人もいれば
全裸な方まで。。
長く暗い冬が終わって、ようやく、ようやく太陽の光が!!!
という、欧州独特の喜びをたくさんの人が爆発させております。


わかる!
わかるよ、その爆発っぷりは!
紫外線もなんのその、とにかく太陽がうれしいんだよね。




このリマト川の中州には、水力発電所が設けられていて
我が家が支払っている電気料金は
この施設の維持・整備・研究のために使われています。
チューリッヒ市では、電気料金の支払い先を選択できるのです。



支払先である水力発電所を目の前にして
なるほど、我々は電気料金をここに支払っておるのか!と
新鮮な驚きがありました。


まさに「生産者の顔が見える」感じ。
日本の、有機農産物を取り扱っている宅配サービスやお店では
以前からこういった取り組みが盛んに行われていますし
近年はふつうのスーパーでも
ポップに生産者のプロフィールが書かれているのを見ることも
多くなってきましたよね。
これは、その電気エネルギーバージョン。



なるほど、このリマト川の水の勢いが。。
なるほど、こういうふうにタービンを回して。。
ほほう。。
(機械にはくわしくない私。。)


魚道を新しくするプランが進行中とのことを聞いて
より環境に配慮した形で発電をしていくための施設整備や研究に
我が家の電気料金が使われるのはうれしいなぁ、と思いました。




さてさて。
そこから、リマト川沿いを湖の方へ。



いい天気じゃのう。。
っていうか、暑い!


途中見かけたバレーボールのコートでは
みなさん水着・半裸でバレーをしていて、ビーチバレー状態。
となりの広場では、なんだか小規模レイブのようなものが
(たぶん自然発生的に)出来上がっていて
半裸な人々がひしめき合って踊っていました。
みんな、うれしいんだなぁ。


マグノリアも満開です。


Platzspitz まで川沿いをてれてれときて
そこから、中央駅を越えて我が家へ帰りました。
3時間以上のサイクリング。。
最後には若干お尻が痛くなっていましたが
気持ちよかった!


チューリッヒ市内サイクリング、おすすめですよ。





そして、昨日は夕方からチューリッヒ芸術大学で
チャリティコンサートが催されたので
シャワーを浴びてさっぱりしてから、また出かけました。


会場にはほんとうにたくさんの人が来ていて
なんとホールから溢れてしまうほど。
私たちも15分前には会場入りしたのですが
ホールに入ることができなくて
たくさんの人たちと一緒に階段にちょこんと座り
踊り場に設置された大画面+スピーカーで鑑賞しました。


前半の最後に、作家のアドルフ・ムシュクさんのスピーチがあり
旦那にあとで内容を聞いたら、とても良いお話だったようです。
日本語に訳されたものがあれば読みたいなぁと思いました。


ムシュクさん自身は左派の作家ですが
たくさんの日本人が会場にいる状況を踏まえ
とても慎重に言葉を選んで、知性をフル稼働させて
話したことが伺えると旦那が言っていました。
(ムシュクさんの本をいくつも読んで育ったらしい)
「この状況のなかで、言葉がない」と冒頭で話されたようで
その真摯な姿が、私はとてもうれしかったです。




聞こえてくる言葉というのが、あります。
どんなに大きな声で話されても聞こえてこない言葉があるように。


ムシュクさんの言葉は、ひとつひとつ聞こえてきて
意味は正確に理解できなくても、私は耳を傾け続けました。
そういう言葉が聞こえる場所が
身のまわりにあることも、うれしかった。




欲にかられてとうとう開けてしまったパンドラの箱から
たくさんの災いや悪しきものが出てきて
隅っこに希望を残したまま蓋を閉じてしまって・・
という神話がありますが
ムシュクさんはそれを引用して
今回は、パンドラの箱から希望を出さなくては、と
そのために私たち一人ひとりが立ち上がるときだと
話しておられました。